まさき克幸議員が代表質問を実施

○議員(正木克幸)登壇  明石維新の会、正木克幸です。
 質問に入る前に、故横田副市長の御冥福をお祈り申し上げます。
 それでは、発言通告に従い、会派を代表いたしまして2項目、5点、質問をさせていただきます。
 まず、1項目め、令和4年度明石市決算についてです。議員期数の関係で、前年度に執行された会計ですので、執行経緯などは議事録等で確認するに限られますが、何点かの部分について御質問をさせていただきます。
 市長が所信表明でもおっしゃっておられた、財政白書を市民と共につくり上げるとのお考えや、6月議会での財務部長の御答弁で、いわゆる行政的な発想だけではない、民間の感覚を取り入れた視点を御検討いただけるとのことでした。しかし、残念ながら決算は専門的な用語が多く、分かりやすくというのが非常に困難であると思います。今回の質問は、このようなことを踏まえて、なるだけ専門的な用語は解説や具体例をつけ加え、また、地方公共団体の会計概念と、民間企業や一般家庭の会計概念とは、必ずしも一致をしていないことは承知をしていますが、分かりやすく質問をさせていただきますので、御回答もそれに準じていただければと思います。
 まず、1点目、令和4年度経常収支比率についてお伺いをいたします。まず、経常的とは、一定の間隔や頻度で発生をするとの意味で、経常一般財源とは、経常的に入ってくる市民の皆様や企業が納めていただいている市税や地方交付税、いわゆる国からの交付金を合わせて一般財源という歳入であり、この一般財源の使い道には制限はありません。家庭においては毎月の給料での収入に当たります。一方で、経常的な支出とは、経常的に使用される事業や費用、人件費や公債費と言われる地方債の返済、扶助費と言われる児童福祉費、生活保護費、社会福祉費、いわゆる障害福祉費などの歳出であり、家庭においては日々の生活費、食費や光熱費、家賃や住宅ローンの返済に当たるものです。経常収支比率とは、経常的な収入で経常的な支出をどれくらい賄えているのか、毎月の給料で日常の生活費がどれくらい賄えているのかを表す指標です。明石市のみならず、日本全体で団塊の世代が後期高齢者に入ることで、今後、介護給付や医療費が増加傾向にあることは明白であり、これらの費用は繰出金として一般会計から特別会計に支出をされるため、さらに経常的な支出が増加をすることは容易に推測されます。
 令和4年度で明石市の経常収支比率は94.1%となっており、計算しやすい額で比較をするのであれば、ある家庭の手取り収入が20万円であるのであれば、18万8,200円が日々の生活で消えているという状態です。過去4年間の数値を見返しても、91.5%から94.5%という数値であり、兵庫県下の平均値が89.5%から93.1%、また類似団体平均、いわゆる中核市平均値が88.7%から92.8%と平均値を上回っています。先ほどの20万円の収入でどれくらい日常生活に使用して、どれくらいを臨時的な支出、例えば旅行や貯蓄に回すことができるのかという感覚が、言い換えれば明石市の財政構造の弾力性、いわゆる臨時の財政需要や市民や団体のこれまでに取り組んでいない行政ニーズに対応するための指標でもある経常収支比率は、明石市としてどれぐらいの数字が適正と考えておられるのか。また、明石市の現在の状況はどのような現状であると認識をしておられるのか、市長の見解を問います。
 2点目、経常収支比率が平均値より高いということの原因は様々あると思います。その中でも、令和4年度は基金を約8億円切り崩しています。これは、家庭で言えば貯金を切り崩して電気代を払うという状況に近づいてきているのではないかと思います。現在の財政調整基金残高、いわゆる明石市の貯金は約119億円ですが、基金が目減りをしないように、この経常収支比率を下げる必要があると思いますが、経常収支比率を下げるためにはどのような改善方法があると思われるのか、市長の見解を問います。
 3点目、経常収支比率が現在の状態が94.1%で、かつ明石市は市庁舎建て替え、クリーンセンター建て替えなどの大型設備投資が先送りをされてきました。国に先駆けて実施するという目標を掲げ、市民個人に入る政策を優先実施してきた結果、直接市民に実感をしにくく、長期的に国庫補助金や市債などを発行して投資を行わなければならない大型事業が数多く取り残されています。市債とは、市が発行する借金で、金融機関が引き受けて資金調達を行うものです。借りた以上は返済をする義務が生じ、返済方法も借りた翌年から返済が始まるものや、一定期間返済を猶予されてから返済が始まる据置き返済など様々な方法があります。このような大型設備投資事業もこれ以上先延ばしすることはできないため、真摯に向き合う必要があると思われます。しかし、ここでさらに大型の設備投資を行うために、市債の発行の必要が生じます。市債は公債費に含まれるため、経常収支比率の悪化が見込まれます。先ほど答弁にもありましたが、以前、明石市が起債をした土地開発公社のいわゆる三セク債の返済が終了するも、ここで新たな起債の必要が生じるため、さらに経常収支比率は悪化をするのではないでしょうか。
 以前の質問で、財政基盤を強固にするためのビジョンをお伺いしたところ、個人市民税のみならず法人市民税、固定資産税全般において、分け隔てなく確保させていただきたいとの見解でありました。税確保を分け隔てなく行うためには、これまでのように産業振興施策を積極的に行わない方針では、法人企業からの税徴収を伸ばすことは見通しとして立たず、また、現在の経常収支比率では先ほどより申し上げている弾力性のある財政構造とは言えず、今まで以上に市民や団体のニーズに応えた行政サービスの提供は困難となり、これまで行ってこなかった新たな産業振興政策を行うことはできるのでしょうか。法人からの税確保は伸ばしたいが、法人に対する積極的な行政サービスは提供できないともとれる現在の状況について、今後の打開策を伺います。
 2項目め、明石市の危機管理体制についてお伺いします。
 先般の副市長の急逝に伴い、これを糧として、明石市がさらなる飛躍、発展を遂げるため、そして危機管理体制の基本中の基本でもある、喉元過ぎても熱さ忘れぬために2点質問をさせていただきます。
 通常時であれば、明石市は市長1名、副市長2名の体制で市政の総指揮をとることを職責として組織図が展開をされています。先般の台風7号来襲時には、総合安全対策室が十分に機能して、職員一丸となって防災ネットやホームページでの情報公開、避難所の開設、活動第一体制への移行準備などを順調に行い、私自身も総合安全対策室を訪れた際には、泊まり込み職員なども対応に当たっており、職員の士気の高さを目の当たりにしました。防災時における危機管理体制は、様々な経験を経て成熟されている一方で、公共サービスを提供する行政府としての人的な緊急事態に対応する意識はどうなっているのでしょうか。連絡体制の混乱や情報収集機能が機能不全に陥っていたのではないでしょうか。行政府においては、中央省庁では一定以上の役職の職員に対して業務電話を配付をして、通常時から訓練メールが入ると即座に返信や返電をして、所在の確認と安否の連絡を行う制度を導入しているところもあります。しかし、これにもコストが必要です。危機管理に費用を惜しむべきではない一方で、やはり身の丈にあったところから、コストをかけず、危機管理というものも存在すると思います。
 まず、1点目、非常時優先業務、言い換えれば業務互換勤務体制についてお伺いをします。公共性の高いサービスを提供する民間企業、例えば金融機関では、そのサービスの特性上、様々な業務互換勤務体制が敷かれています。例えば、台風で店舗が開けられず、決済する予定の支払いが履行されず、企業が倒産することなどあってはならない事象が想定されるがゆえ、言い訳は一切許されず、開業時間の9時を1分でも過ぎて開店をしたら、関西圏の店舗であれば近畿財務局に報告義務があるなど、非常に厳格な管理体制が敷かれています。その中でも、通常時においても常に災害や事故が発生をするリスクを踏まえて、職員や社員の動向について情報共有を行っており、休日であったとしても、例えば5名以上の職員が同じ日に同じ場所で遊興や会合を行う場合には、事前に正式に届け出るという制度を導入しているケースもあります。これは決して許可を仰ぐという趣旨ではなく、例えば同一の職場の職員が同じ車に乗ってどこかに向かっていた際に事故に遭って、複数名が亡くなるケースや、同じ釣り船に乗っていて水難事故が発生し、全員が亡くなるという、日常では考えづらいですが、このようなケースが生じた場合に、誰が一体一緒にいたのかということを組織が迅速かつ正確に把握をして、現地生存職員や本部残留職員の席次に基づいて、スムーズに事故に遭った職員に代わる業務互換勤務体制を敷いて、その職責を一時的に引き継ぐというためのものです。
 私が申し上げたいのは、ゴルフをすることが悪いとか、そういう視点ではなく、先ほど申し上げたような制度がなかったゆえに、不測の事態に備える意識が希薄となり、混乱を生じたのではないかということです。明石市も公共性の高いサービスを提供しているという性質上、これまでこのような人的な危機管理体制及び業務互換勤務体制の意識があったのか、なかったのか。あったのであれば、どのような人的危機管理体制及び業務互換勤務体制を敷いていたのか、見解を問います。
 2点目、これも先ほどの話と重複するところがありますが、企業でいう経営者、行政でいう市長と副市長については、もう一歩踏み込んだ意識も必要ではないでしょうか。経営者でないと決裁できない事象やごく限られた人間にしか共有をしていない情報、例えば、食品業界で言うのであれば食品配合比率や調味料配合比率を持った人材が全ていなくなると、組織はたちまち瓦解します。危機管理意識の高い企業や団体では、経営陣は国内外の移動にかかわらず、同じ飛行機には乗らないというような制度もあります。事故当日、故横田副市長は休暇届を出しており、丸谷市長と佐野副市長はその事実を把握していたと認識しています。本来、3名の体制で運用されるべき組織において、1名が休暇で不在のときに、残った市長と副市長は、まるちゃんカフェに2名で出席をするという時間が存在し、市役所に市長、副市長が全て不在という状況が生まれたというふうに聞いております。業務で3名が不在のケースはあることは想定をされますが、その業務の内容と状況によって対応すべきではなかったのでしょうか。そこには必ず2名で行かなければならない状況だったのでしょうか。明石市の首長として、代替の利かない市長御自身の人的管理危機意識の認識を問います。
 以上、2項目について御回答よろしくお願いいたします。
○議長(尾倉あき子)    久保井財務部長。
○財務部長(久保井順二)登壇  財務部長でございます。
 御質問1項目め、令和4年度明石市決算についてに順次お答えいたします。
 1点目の経常収支比率の数値についてでございますが、経常収支比率は、人件費、扶助費、公債費等の義務的性格の経常経費に市税、地方交付税、県税交付金を中心とした経常一般財源収入がどの程度充当されているかを見ることにより、財政構造の弾力性を判断するための指標でございます。数値が大きいほど財政が硬直化し、施策の自由度が小さくなっているとされておりまして、本市におきましては平成14年度決算から90%を超える状況が続いております。令和4年度決算の数値は、前年度より2.6ポイント上昇し、94.1%となっております。その要因といたしましては、1つには私立保育所等の運営費に係る幼保給付費などの扶助費の増加もございますが、令和3年度は地方交付税の追加交付により、全国的にも経常収支比率が大幅に低下していたところが、令和4年度は平常時に戻ったと考えております。令和3年度の値を他自治体と比較しますと、本市の91.5%は、県下市の平均値89.5%、類似団体の平均値88.7%をいずれもやや上回っている状況でございます。
 2点目の、経常収支比率の改善についてでございますが、かつては80%を超えると財政的な弾力性を失いつつあると言われておりましたが、近年では全国平均が90%を超えるような状況でございます。これは、社会基盤整備の進展に伴い、投資的経費などの臨時的な歳出に充当する一般財源が減少する一方で、社会福祉制度の充実や高齢社会の進展に伴い、扶助費などの義務的な経費に充当する一般財源が増加したことによるものでございます。近年、本市では94%前後で推移しており、今後も社会保障関係経費の増加傾向は続くと予想されますが、従来本市が推進してきたこどもを核としたまちづくりなどの積極的な施策の効果によるまちの好循環の維持・拡大を図り、今後も人口増加等に伴う市税や地方交付税の増収を継続させることで、経常収支比率の維持、改善にも努めていきたいと考えております。
 3点目の、大型設備投資を控えている現況についてでございますが、今後、本庁舎の建て替えや新ごみ処理施設の整備など、老朽化した公共施設の整備に多額の費用が見込まれます。これら投資的経費の財源として市債を借り入れる必要がありますが、議員御指摘のとおり、この市債の償還経費である公債費の増加は、経常収支比率を悪化させる要因となります。このような状況を踏まえますと、今後の財政運営では、できる限り地方交付税措置率の高い優位な市債を活用することなどにより、公債費の償還等に充てる財源を確保することも、これまで以上に重要になってくると考えております。さらに、市税をはじめとするその他の一般財源の確保にも努めながら、経常収支比率の数値も十分意識しながら財政運営を行ってまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
○議長(尾倉あき子)    原田総務局長。
○総務局長(原田浩行)登壇  総務局長でございます。
 御質問2項目め、本市の危機管理体制につきまして1点目及び2点目、まとめてお答え申し上げます。
 本市では、いわゆるBCPと言われる明石市事業継続計画を策定しており、災害時や不測の事態においても適切に業務遂行ができるよう備えております。その中で、市長や副市長不在時の代行順位及び職員の参集体制など、あらかじめ定めております。また、市長をはじめ、全ての管理職において、緊急時の連絡先の情報を共有しまして、適宜活用しているところでございます。
 次に、このたびの事案につきまして、当日、市長及び佐野副市長は公務で市内におり、緊急事態が発生した場合でも、すぐに市役所に戻れる状況でございました。また、事案発生後の対応といたしましても、市長及び佐野副市長は市役所に終日待機し、現地からの情報収集に努めておられたところでございます。今回のようなケースのように、不測の事態は様々な状況が想定されることから、日頃から高い危機意識を持ち、様々な対応方法を考えておく必要があるというふうに認識しております。危機管理につきましては、大変重要テーマと認識しておりますので、議員御提案の方策も参考にしながら、引き続き円滑な市政運営ができる危機管理体制の充実に、適宜適切に取り組んでまいりたいというふうに思っております。よろしく御理解賜りますようお願い申し上げます。
○議長(尾倉あき子)    正木議員。
○議員(正木克幸)    まず、少しここでもう一度確認をしたいのですが、経常収支比率とは弾力性があるとか、硬直化をするという表現でしたが、分かりやすく言えば、硬直化、いわゆる比率が高いということは、今行っていることを維持するのが精いっぱい、弾力性がある、いわゆる比率が低いと、これまでやってこなかったことに取り組めるという政策的な要素を含んだ数字であり、新たにあれをやる、これをやるという前に原資は必要なわけで、その原資を確保するに当たっての1つの目安であるという解釈でよろしいでしょうか。
○議長(尾倉あき子)    久保井財務部長。
○財務部長(久保井順二)    財務部長でございます。
 正木議員の再度の質問にお答えさせていただきます。経常収支比率の意味するところというところで御説明があったと思いますが、今、議員がおっしゃいましたとおり、経常収支比率につきましては、その比率が低ければ低いほど新たな施策に投資できる資金に余裕があるという理解でよろしいかと思います。
 以上です。
○議長(尾倉あき子)    正木議員。
○議員(正木克幸)    先ほどの回答もそうなんですけれども、市長が目指しておられる、誰にでも分かりやすい財政白書という中で、先ほど来の回答が本当に市民の方に分かりやすかったのかということに疑問が残る、そして内容も非常に漠然とした内容で、少し残念な部分はありました。
 明石市の主たる財源の1つである地方交付税は、その本来の目的を財源調整機能として、国が分権を進める地方に対して、ある一定の水準を平等に維持することを目的とした国からの交付金ですが、人口がどれぐらい増えたのか、学校の数は幾つぐらいあるのか等の各種条件を指標にして、基準財政需要額と言われる理論上の数字を算出して、そこから市民税や固定資産税などの税収、基準財政収入額、いわゆる実際の収入の75%を引かれて交付をされます。ですから、単純に税収入が10億円増えたといっても、交付税は7.5億円減らされるため、実質は2.5億円の増収にとどまります。税収が10億円増えたとしても、手元に残る金額は2.5億円であり、この増えた2.5億円で通常の行政コストや市独自の各種給付事業は賄えているのでしょうか。人口増による税収入、いわゆる市民税、固定資産税、事業所税等を過大に評価してはならないのではないでしょうか。人口が増えれば基準財政需要額という先ほどの数字が大きくなり、地方交付税が増えるとの理論も、人口が増えることでの行政コストも増え、市の単独給付が多ければ多いほど赤字につながるのではないでしょうか。見解をお聞かせください。
○議長(尾倉あき子)    久保井財務部長。
○財務部長(久保井順二)    財務部長でございます。
 正木議員からの再度の質問にお答えいたします。
 今、地方交付税の仕組みにつきまして御説明をいただきました。理論上は全くそのとおりでございます。しかしながら、地方交付税につきましては、国のほうがまず総額というものを決めます。その総額につきましては、そのときの経済状況によりまして額が増えたり減ったりするわけでございますが、近年ではコロナ禍の中でも堅調な企業業績等によりまして、各地方に下りてくる額が、今のところ少しずつ増えているという状況になります。それを分配して市のほうにも来るわけでございまして、その時々に応じまして、人口増による増収と、それから地方交付税の分配増による増加、こういうものが加味されて市のほうに入ってくるという理解をしております。
 市としましては、これまでの税収の増と、それから実際に入ってきました地方交付税の額、これを見ながら、来年度の予算等の総額について、国の動向も踏まえながら決定してきておるところでございますので、一概にその75%の分で25%が減るというのは、理論上はそうなんですけども、実際の数字はまたちょっと違うところもございますので、その辺はしっかりと年度年度ごとにこちらでも計算をさせていただきながら、予算組みをしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(尾倉あき子)    正木議員。
○議員(正木克幸)    先ほどの御回答に対してもそうなんですけれども、私としては、臨時的な収入で経常的な支出を賄わなければならない一歩手前であるというふうに認識をしております。家計で言うところの火の車、企業で言えば自転車操業に陥る一歩手前の、かなり危機的な状況ではないかというふうに考えてはおります。ゆえんとして、単年度収支では平成29年、平成30年、令和元年、令和3年、そして令和4年度とほとんど赤字ですよね。民間では2期連続赤字は金融機関が大きく評価を変える指標でもあり、企業の存在価値や存在意義を疑われ、財政の健全化は失われ、要注意先、もしくは破綻懸念先という扱いを受けます。収益を求める民間企業と明石市とでは本質は異なるとはいえども、単年ベースで過去に遡っても、明石市の大切な財産でもあるJT跡地の土地の売却や、いわば他力本願的な要素の強い交付金や物価対策の補助金などに頼って成り立っているのではないでしょうか。国からの交付金や補助金については、我々としても国や県とのパイプを最大限に生かして、連携をして、予算確保はこれからも最大限尽力はしてまいります。しかし、本来であれば、明石市独自の子育て政策などの大型予算を必要とする直接給付型のサービスを安定的に実施、継続するためには、この経常収支比率を改善させ、余力を持った状態で実施すべきと考察しますが、ここは政策に関わることなので、市長のお答えをぜひお聞かせください。
○議長(尾倉あき子)    久保井財務部長。
○財務部長(久保井順二)    財務部長でございます。
 僭越ながら、正木議員の再度の質問にお答えさせていただきます。
 確かにおっしゃるとおり、その経常収支比率が高止まりしている場合につきましては、使える財源が潤沢にはないという状況でございます。それが経常収支比率が下がれば下がるほど、自由に使えるお金がある程度潤沢に計算できるということで、それを目指していくべきではないかというお話もあります。私どもといたしましても、必要な経費、特に社会保障関係経費につきましては、これは必ず必要なものだという認識をしておりまして、しっかりとそれに予算をつけているわけでございますけども、そういったところも今後も見ながら、少しでも経常収支比率が下がるような取組ができるかできないかということを考えながら、財政運営に取り組んでいきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(尾倉あき子)    正木議員。
○議員(正木克幸)    先ほど危機的状況の一歩手前というふうに申し上げましたけれど、この一歩手前というのは、決して来年や数年後というわけではないというふうに解釈しております。では、なぜこのような表現を用いたのかと言えば、先ほど来おっしゃっておられる人口増による税収に市税や地方交付税の税収を継続させることで、経常収支比率の維持、改善というふうに言われてきました。しかし、今はよくても、20年後、30年後に、その増えた人口に対する扶助費の繰出金等も増加をすることは明白ではないでしょうか。人口増に特化をしている以上、その人口は年老いていくことも事実やと思います。そして、明石市は20年後も30年後も40年後も存在をし続けます。まだ未来のことであるとは言いながら、これは明らかに確定をしている事項であり、数年で解決ができない問題だからこそ、今の時点より長い時間をかけて、新たなる切り口から歳入を確保することで、経常収支比率の改善を目指すべきと考察しますが、これもぜひ市長のお考えをお聞かせください。
○議長(尾倉あき子)    久保井財務部長。
○財務部長(久保井順二)    財務部長でございます。
 財務といたしましては、今年の1月にお示しさせていただきました収支見通し等で、10年後等の財務の状況については、しっかりと把握しながらやっていきたいというふうに考えておりますし、市といたしましては、やはり市民に対して、今の安心、今の安全を御提供させていただくことが、市民の皆様への未来の安心につながるという一面もあるというふうに思っております。そういった中で、先ほどおっしゃっておりました中長期的な観点で、人口がどうなっていくのか、そのためにはどうしていかなければならないのかという視点も非常に大切だと考えております。そういった中で、どういった方向で明石市が向かっていくべきなのかというのは、今後、検討していきたいと思います。
 以上でございます。
○議長(尾倉あき子)    丸谷市長。
○市長(丸谷聡子)    正木議員からの再度の御質問に、私、市長からもお答えさせていただきたいと思います。
 本当に議員の質問、大変分かりやすくて、私も参考になりました。今後、財政白書をつくる上でも非常に参考になる質問であったと思います。経常収支比率を抑えていくということはもちろん必要だと思っておりますし、現在、中長期的な収入の見通しも、私も今、財務のほうと一緒に立てながら進めておりますので、そういったところも財政白書で皆さんにも見える化をしていただいて、一緒に考えていかせていただけたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(尾倉あき子)    正木議員。
○議員(正木克幸)    御回答ありがとうございます。それでは、市長といたしましても、新たなる切り口からの歳入を確保をするということでの経常収支比率の改善を目指すべきという認識でよろしいんですか。
○議長(尾倉あき子)    丸谷市長。
○市長(丸谷聡子)    新たな財源確保というよりは、まさに財政の見える化をしながら、将来の持続可能性にわたる財源をしっかり確保しながら取り組んでいきたいというふうに考えております。
 以上です。
○議長(尾倉あき子)    正木議員。
○議員(正木克幸)    ありがとうございました。
 それでは、1項目め、3点目の再質問に移らせていただきます。先ほどの質問でも申し上げたような大型設備投資を実行するのであれば、財政体質を改善して、さらに強固なものにする必要があると私は思っております。大型の収入のポテンシャルを秘めているのは、やはり企業からの税収ではないでしょうか。年間工業出荷高1兆3,000億円、年間6,500億円の商業取引を促進、発展させることこそが、財政体質を改善、そして強固にする要素ではないでしょうか。確かに企業税収は浮き沈みがあり、基礎積算としては考慮しにくいというデメリットがある反面で、継続的に直接給付を行う今のサービスと異なり、ランニングコストが少ないというメリットも兼ね備えています。
 先ほど来お話をしている経常収支比率は、改善しにくいという性質のことであることも承知はしておりますが、しかし、これを改善しないということは、従来のこどもを核としたまちづくりが既に完成形であり、これ以上の新しい政策には取り組めない、いや、取り組まない、いや、取り組めないとも解釈されます。まず、現在のこのこどもを核としたまちづくりが完成形であり、新たなる政策を導入する予定がないのか、こどもを核としたまちづくりをさらに発展させるために、常にブラッシュアップを行い、これまで後回しにされてきた政策を導入する姿勢があるのかないのか、ここもぜひ市長の御意見をお聞かせください。
○議長(尾倉あき子)    久保井財務部長。
○財務部長(久保井順二)    財務部長でございます。
 正木議員からの再度の質問にお答えさせていただきます。
 もう御存じのとおり、今後見込まれる市におきましての大きな投資案件というのが控えている状況でございます。財務といたしましては、決算の中で御説明させていただきましたとおり、将来の市債に備えまして、今年度約38億8,000万円の市債を削減しております。少しではありますけども、こういったことを積み重ねながら、財務体質の改善を図って、大きな投資案件に向けて備えていきたいというふうに考えております。
 それから、経常収支比率の中でのいわゆる子供施策でございますが、これはいろいろな考え方があると思いますけども、財源の大小にかかわらず、比較的小さな事業費で市民の皆様に寄り添う事業も多数実施しておるものと認識しております。例えば、児童扶養手当の毎月支給や障害をお持ちの方に対する合理的配慮を提供する事業者への助成制度、これもそれほど大きな事業費をかけずに、市民の皆様に少しでも寄り添うことができる事業を多数実施できていると思っております。財政といたしましては、使うお金に対する費用、効果、それから潤沢ではありませんけれども、使えるお金の金額などを勘案しながら調整していって、事業を進めていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(尾倉あき子)    正木議員。
○議員(正木克幸)    今の経常収支比率では、現実的に新しい政策をダイナミックに行うということは、もう財政上厳しいと思います。しかし、皆さんが考えておられるような多額の費用を歳出せずとも、商売人の心意気を考えてみたとき、先ほどおっしゃっておられた、いわゆる費用対効果、こういう観点で考えてみたときに、私がかねてより申し上げている産業振興とは何なのかっていうことを、もう一度考えてみてほしいんです。産業界との対話だけでは、明石市は産業振興政策に取り組みますと言っても、百戦錬磨の商売人の心は動きません。商売人とは、先ほど申し上げた10万円のお金を100万円に増やすことができる、こういう能力にたけた人たちの集合体です。納税に関しても、義務である以上、納めるものは納めるという考えが一般的である一方で、全くあっちを向いている相手にそういう気持ちが積極的に起こるでしょうか。
 私が言いたいのは、これまで後回しにされてきた産業振興政策に対して、厳しい経常収支比率の中でも、それらを改善して、少しでも産業界に向けた投資を行えば、産業界は、明石市がこっちを向いてくれてる、私たちは必要とされているんやという気持ちになって、さらに商売を発展させ、納税につながると思います。この流れが、先ほどの回答にもあった、市税をはじめとする一般財源の確保につながり、今後の経常収支比率の悪化に対する打開策につながると思慮いたしますが、その辺の考えをお聞かせください。
○議長(尾倉あき子)    久保井財務部長。
○財務部長(久保井順二)    財務部長でございます。
 正木議員の再度の質問にお答えさせていただきます。
 議員が御提案されたような、市内業者への配慮というのはすごく大事でもありますし、市としても商工業の育成につきましては、非常に大切であるというふうには考えております。まずは事業者や関係部署の方に御意見をお聞きした上で、担当部署を中心に検討した上で、財務としてもそれに寄り添った適宜適切な予算については検討していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(尾倉あき子)    佐野副市長。
○副市長(佐野洋子)    副市長の佐野でございます。
 適切な財政運営というのは本当に市にとってはとても大切だというふうに思っておりまして、先ほど来議員から御質問していただいていることにつきましても、肝に銘じて運営をしてまいりたいというふうに考えております。
 その中でも産業振興ということのヒントも頂きました。先般も商工会議所の皆様とも、市長をはじめ御挨拶にも伺いながら、今後どういったことができるのかということも、共に相談していきましょうというふうなお話もさせていただいたところでございます。そういった観点でも、次年度予算につきまして、どのようなものになるかは分かりませんけれども、産業振興ということも必ず頭において取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(尾倉あき子)    正木議員。
○議員(正木克幸)    佐野副市長からの心強いお言葉、非常に来年度の予算は期待をしたいなというふうに思っております。以前の6月議会の中で、産業界ともこれから市長は、いわゆる対話を通して、どのような産業振興政策が要望されているのかというようなことを聞いていきたいというふうにおっしゃっておられましたけれども、もう実際に産業界との対話というのは、先ほどもおっしゃっておられたようにされていると思うんですけれども、今現在の市長のお考えで結構ですので、こういう産業振興政策がいいんじゃないかみたいなのは何かありますか。
○議長(尾倉あき子)    丸谷市長。
○市長(丸谷聡子)    正木議員からの再度の御質問です。今、佐野副市長のほうからお答えしましたように、商工会議所のほうには御挨拶させていただいて、意見交換もさせていただいております。ちょうどこの10月には、タウンミーティングでにぎわいということをテーマに、商工関係でありますとか、まちのにぎわいでいろいろ活動してくださっている方にもお声をかけさせていただいて、そういった対話のほうもさせていただきますので、そういった御意見も踏まえて、今後考えていきたいと思っておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
○議長(尾倉あき子)    正木議員。
○議員(正木克幸)    ありがとうございます。これも御理解いただいていると思うんですけれども、やっぱり対話だけではこっちを向いてくれないということも、十分御理解を本当にいただきたいなと心から思っております。先ほど申し上げたように、やっぱり商売人の心意気というものを酌んでいただければ、必ず明石市の発展のため寄与してくれると私は信じております。
 最後に、ちょっと総括として、話が難しくなってしまったんで簡単に言いますと、新しい政策やニーズに応じた政策を実行するためには、経常収支比率を下げて、柔軟に使えるお金を増やす。旅行に行くために日々の生活費を少しずつ節約をして、旅行代をためるという感覚に近いと僕は思ってます。解決するため、いわゆる専門的な用語でいうところの比率を締めるためには、3つのファクターがあるというふうに理解をしてます。1つ目、経常的支出を減らす。2つ目、経常的収入を増やす。3つ目、国や県の制度をつくってもらって、特定財源を増やす努力をする。ただ、支出を減らすためには、徹底した行財政改革を行って、無駄をなくして、しかし扶助費や公債費などの義務的経費、いわゆる企業で言えば固定経費に準ずるものは減らしにくい。そして、経常的収入を増やすためには税収を増やす。税徴収率を上げるなどが考えられますが、税徴収率は既に98%で、これ以上の飛躍的な上昇は見込めません。国や県の制度をつくってもらうというのも、ある意味、他力本願的な要素が非常に強く、明石市としてそこに過度に依存するのはいかがなものかと思います。先ほど来、経常収支比率が平均値に近いという見解をお聞きしておりました。しかし、明石市はこどもを核としたまちづくりという特色ある、他市が行っていない政策を実施しているからこそ、ほかの市の平均値と比較をするだけで安心と言えるんでしょうか。私は言えないと思うんです。そして、即効的に解決する方法は、様々な財政的条件が絡み合う中で、この方法がすばらしい、この方法がいいというものはなかなかないんですけれど、引き続いて、特に支出を減らす、収入を増やすという観点から、お互いにアイデアを出そうと思いますが、この件について市長はどう思われますか。
○議長(尾倉あき子)    丸谷市長。
○市長(丸谷聡子)    まさに行政と議会は両輪ということで、そういう議論をする場だと思っておりますので、お互いそれぞれいろんな案を出しながら、一緒に明石のために頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○議長(尾倉あき子)    正木議員。
○議員(正木克幸)    ありがとうございました。
 それでは、2項目めの質問に移らせていただきます。
 先ほどの御答弁で少し残念だったことが、現在の取組体制に対して大きな問題がないという御認識のようでしたが、私が申し上げたいのは、危機管理体制に対して問題がないっていうこと自体が問題なんではないでしょうか。危機管理というのは、ここまでやれば絶対に大丈夫というわけではなく、既に起こった事象や経験に対してアップデート、いわゆる更新をしていく必要があると思います。BCPを策定しています。緊急時の連絡先を共有しています。しかし、本当にそれが機能していたのかということを真摯に振り返って、対応していく姿勢が重要であると思いますが、いかがでしょうか。そして、このように様々な人の意見に真摯に耳を傾け、危機管理体制を日常的に改善をしていく意思があるのかをお聞かせください。
○議長(尾倉あき子)    原田総務局長。
○総務局長(原田浩行)    総務局長でございます。
 正木議員の再度の御質問にお答え申し上げます。
 まず、危機管理への認識についてでございますけれども、危機管理への取組につきましては、その時点で終わりとか、これで十分だというところは基本的に考え方にはないというところで私は認識しております。実際に事象が起こった際に、現状に問題がなかったのかどうかというところをまず検証させていただいて、改善ができる部分がありましたら、現行のシステムに改善点を加えまして、常にアップデートしていく必要性があるというふうには認識しております。今回のテーマにつきましても、議員御提示のいろんなアイデアがございますので、その部分を参考にするなどしまして、今後、継続性を持って調査研究をしてまいりたいというふうな考えでございます。
 以上でございます。
○議長(尾倉あき子)    正木議員。
○議員(正木克幸)    ありがとうございます。先ほど来の回答と、いわゆる組織的な概念というふうに伺っておるんですけれども、最後に、市長御自身の危機管理体制について、これまで十分であったかどうかということを、ぜひお聞かせください。
○議長(尾倉あき子)    丸谷市長。
○市長(丸谷聡子)    正木議員からの再度の御質問にお答えさせていただきます。
 私も公務によりまして明石市を離れる場合がございます。その場合に、市長不在ときには、不測の事態が発生した場合であっても、副市長や幹部職員が対応できる執務体制はとっております。ですけれども、様々なケースが考えられると思いますので、そういった意味では、危機管理においては日頃から改善、アップデートが必要だと思っております。今現在やっていることとしましては、毎月、市長、副市長、局部長のミーティングをしておりますが、その前月にあった、例えば台風である災害でありますとか、そういった取組のフィードバックでありますとか、今後の対応についても危機管理監にも入っていただいて、確認を取り合うなど、危機管理については常に取り組んでまいっておるところでございますので、今後ともそのように進めていきたいと思います。御理解賜りますようどうぞよろしくお願いいたします。
○議長(尾倉あき子)    正木議員。
○議員(正木克幸)    ありがとうございました。この危機管理というのは、誰が悪いとか、何が悪かったとか、どうするべきやったっていうことでは僕はないと思っています。私自身もいっぱい失敗してます、いろんなことで。やっぱり失敗したことから学んでいくっていうこの経験、これが危機管理意識につながるというふうに常々私はそう思っております。
 ですから、先ほども申し上げたとおり、やはりこういう物事を忘れない。そして常に、少し強い言い方をすれば、常に緊張した状態でやっぱり市政に取り組んでいただく姿っていうのが求められると思いますけれども、ぜひその気持ちを持ち続けていただけるかどうか、最後お聞かせください。
○議長(尾倉あき子)    丸谷市長。
○市長(丸谷聡子)    私自身は、5月に市長に就任してから、30万5,000人余りの市民の皆さんの命と暮らしをお預かりしているというふうに思っておりますし、常に24時間緊張した状態で過ごしております。これからも本当に市民の皆さんの命と暮らしをしっかり守るために取り組んでまいりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。