たかお秀彰議員が一般質問を実施
○議員(髙尾秀彰)登壇 明石維新の会、髙尾秀彰でございます。
まず初めに、1年以上がたちましたが、能登半島地震で被災され、お亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げるとともに、現在も避難生活を余儀なくされている方々に、心からお見舞いと、一日も早い復興をお祈り申し上げます。また、本市からも能登半島各地へ支援や緊急救助隊等で派遣され、現地で活動いただいた皆様に、改めて敬意と感謝を申し上げます。
それでは、発言通告に従い、1項目、消防団について5点質問いたします。
消防団は、自らの地域は自らで守るという郷土愛護の精神に基づき参加し、地域に密着した消防機関で、一般的に地域で働く市民で団員が構成されております。地域ごとに拠点を構え、有事の際に適切に対処できるよう、日頃から訓練や設備、装備を整え、いざ火災や災害発生時にはその地域性を生かし、消火活動や救助活動など、即時に対応するという地域防災の中核的な役割を担っており、火災発生時には消火活動を迅速かつ効果的に行い、火災の拡大や被害の拡散を最小限に抑えます。私自身、明石市消防団第1分団に在籍し、現在も活動しておりますが、7年前の平成29年に大蔵市場の大規模火災時に、私も地元消防団員として、他の団員と共に消火活動を行った際、近隣の安否確認や連携の取れた消火活動等で延焼被害を最小限に抑えられたことで、消防団活動の必要性を身をもって強く感じました。
これまでの消防団活動を通して、各地域でのお祭りの警備や消防特別点検、年末の特別警戒など、消防団の活動は多岐にわたっておりますが、本業の仕事を持ちながら、地域の生命、財産を守るため、長年にわたり献身的に努力されてこられた消防団の皆様の御尽力を改めて強く実感しているところでございます。近年、特に震災をはじめ、台風や集中豪雨などによる大規模な災害など日本各地で大災害が頻発し、地域防災力の充実強化の重要性が高まり、消防団のさらなる充実強化が求められております。しかし、その一方で、高齢化に加え、市外へ通勤する方も多くなるなど職住分離が進み、全国的に消防団員の減少が進み、本市で見ましても、消防団員は年々減少傾向にあります。消防団の役割とその重要性をいま一度見詰め直し、いつ起こるかもしれない大規模災害に備え団員の士気を高めつつ、効果的な団員確保策を今後より一層講じていかなければいけないと考えております。そこで、消防団の人材確保や機材等の備えなどについて5点お伺いいたします。
1点目、減少傾向にある消防団員の確保について。総務省消防庁の発表によれば、昭和29年に約202万人だった全国の消防団員は、少子化問題等により担い手が減少し、平成2年には100万人以下、本年令和6年4月時点では、過去最少の74万7,000人となり、全国的に消防団員の数は減少傾向にあります。このまま人材不足が進めば、消火・救助活動に加えて、避難誘導や避難所運営支援活動など、多様化している消防団の活動に支障が出てくる可能性があります。明石市においても、年々消防団員が減少傾向にある中、消防団員確保に向けて様々な取組をされているのは私も認識しておりますが、より多くの方に消防団員の活動を周知していただき、未来の消防団員確保につなげるには、さらなる広報活動が必要だと考えます。現状、そして今後の取組について見解を問います。
2点目、大規模災害団員について。他自治体では大規模災害発生時において、大規模災害に特化した消防団を組織し、消防職員や消防団のOBなどが活躍する消防活動の支援的な組織があります。本市においても、このような大規模災害に特化した支援組織を検討しているのでしょうか。見解を問います。
3点目、消防団員の休団について。消防団員が仕事等の事情により本市を離れる場合、現状は退団しなければいけないが、手続等の面も考慮し、退団ではなく休団扱いにしてはどうでしょうか。見解を問います。
4点目、各分団にある装備について。各分団各班で装備は統一されているのでしょうか。消防団事務局、また、まちづくり協議会や自治会などで、各分団にどういった装備、機材等がそろっているかを把握はしているのか、お聞かせください。
5点目、出初式について。消防の士気高揚と安全なまちづくりを目指して開催されている明石市消防出初式ですが、来年度以降は新庁舎整備により庁舎付近が会場に使えないようになります。現在、どのように検討されているのか、お聞かせください。
以上、御答弁よろしくお願いいたします。
○議長(辰巳浩司) 吉田消防局長。
○消防局長(吉田 優)登壇 消防局長でございます。
私からは、御質問の1項目め、消防団について順次お答えいたします。
まず1点目の減少傾向にある消防団員の確保についてでございますが、全国的に消防団の減少傾向が続いている中、本市の状況といたしましては、条例定数1,040名に対しまして実員972名、充足率は93.4%となっております。また、全国平均は86.1%、兵庫県下の平均につきましては90.5%と、それぞれ上回っている状況にあります。
本市の消防団員確保の取組といたしましては、令和2年度に定年年齢の引上げ、さらに令和4年度に処遇改善として、年報酬、出動報酬を国の基準に準拠して引上げを行ってきたところでございます。さらに、ホームページや明石市民広場におけるデジタルサイネージなどの活用、広報あかしによります消防団活動の特集を組んでいただくなど、各種広報媒体を積極的に活用しております。また、消防団といたしましても、地域行事や自治会を通しまして勧誘活動を行っているところでございます。今後も引き続き、消防団と協力して、団員確保に取り組んでまいります。
次に、2点目の大規模災害団員についてでございますが、大規模災害発生時に消防団員や消防職員のOBの方々に、入団時に決めた特定の活動、役割及び大規模災害などに参加することができる機能別消防団員制度がございます。しかしながら、この制度は必要な団員の確保に苦慮している市町が実態に応じて選択できる1つの制度でございます。今のところ、さきの御答弁でも申し上げましたとおり、消防団員の充足率は一定保たれていることから、今すぐにこの制度の導入を必要とは考えておりません。ただし、近年発生しております大規模地震や大規模風水害などが危惧されている中、地域防災力の要である消防団の充実強化はもちろん、機能別消防団員制度につきましても、消防団役員会議におきまして情報提供するとともに、引き続き調査研究してまいりたいと考えております。
次に、3点目の消防団員の休団についてでございますが、この制度につきましても、さきの機能別消防団員制度と同じく、必要な団員の確保に苦慮している市町が実態に応じて選択できる1つの制度として導入している市町がございます。現在の明石市消防団条例では、本市の区域内に居住する者と定められておりまして、市外に転出すると退団となります。ただし、市外に転出された後、再び明石市へ戻ってこられ入団を希望する場合には、定数の関係などもございますが、再入団が可能となっております。このことからも、近々での休団制度の導入は考えておりませんが、これにつきましても今後、消防団を取り巻く環境の変化もございますので、消防団役員会議に情報提供をさせていただくとともに、他都市の状況を注視してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
次に、4点目の各分団にある装備についてでございますが、火災や水防対応のため国が示す消防団の装備の基準に基づき、各班に統一された装備を配備しております。特に本市では消防団員の安全確保を第一優先として、安全靴、ライフジャケットや通信機器など各種装備の充実強化に向け取り組んでまいったところでございます。また、自治会などが各消防団の装備について把握しているかにつきましては、確認を行っておりません。引き続き、あらゆる災害への対応に備え、さらなる装備の充実強化に努めてまいりたいと考えております。
次に、5点目の出初式についてでございますが、出初式は新年の初頭に当たり、市民の安全・安心を祈念するとともに、消防団員及び消防職員をはじめとする消防関係者の士気高揚と職務遂行の決意を新たにするほか、防火思想の普及啓発を目的として実施をしております。例年、出初式は市民会館での式典、市役所北側立体駐車場や周辺道路を利用したパレード、救助・放水演習を実施しており、企業の自衛消防隊や公募によります子ども消防隊の方々にも参加をいただき、盛大に実施をしてきたところでございます。しかしながら、コロナ禍におきましては感染症対策などのため、中止や規模を大幅に縮小し、関係者のみで実施してきたほか、令和6年では能登半島地震対応のため中止としております。しかしながら、令和7年消防出初式につきましては、来年1月12日、日曜日にコロナ禍以前の形に戻して実施する予定で現在準備を進めているところでございます。議員御指摘のとおり、市役所新庁舎建設に伴い、工事期間中は立体駐車場や周辺道路が利用できなくなります。このため、現在、消防団役員会議におきまして、今後の出初式の実施方法について、消防団によりますワーキンググループでの検討をお願いしているところでございますので、よろしく御理解賜りますようお願いいたします。
○議長(辰巳浩司) 髙尾議員。
○議員(髙尾秀彰) 御答弁いただきましたので、再質問させていただきたいと思いますけれども、まず冒頭で能登半島地震が1年以上と申し上げましたけれども、半年以上の間違いでございました。大変失礼いたしました。
それでは、1点目の消防団員の確保についてでございますけれども、御説明いただきましたように、明石市消防団は充足率が93.4%で、全国的に見ても兵庫県平均で見ても、平均値は上回っております。ですが、過去5年間の明石消防団員数を見てみますと、令和元年は990人、令和3年は982人、令和5年では972人と、この5年間で18人も減っているんですね。私が所属している班が13名ですので、例えで言いますと、この5年の間に1つの班がなくなったという解釈もできると思うんです。ですから、今後も恐らくこの明石市消防団においても団員の確保が難しくなって、団員数の減少が進んでいくことが予想されるんですけれども、その中で、いろんな広報活動もしていただいておりますけれども、小中学校に赴いて、広報活動のようなことを行っていただくことによって、未来の消防団員確保につながっていくかと思うんですけども、そこら辺いかがでしょうか。
○議長(辰巳浩司) 吉田消防局長。
○消防局長(吉田 優) 消防局長でございます。
議員の再質問ということで、小中学校における消防団PRのことにつきましてですが、消防団につきましては、地域からの依頼によりまして、多くの親子が参加します防災訓練や地域行事の警戒などに参加し、消防団が活動内容を説明するなど、防災指導を兼ねてPR活動を行っております。また、中学生におきましては、消防局において積極的にトライやる・ウィークなど、多くの生徒を受け入れまして、消防の仕事や消防団活動などの説明を行っております。こういった活動のことが功を奏しているのか分かりませんけども、兵庫県下には60の消防団組織がありまして、その中で学生消防団員の登録が県下では220名、1団当たり平均しますと三、四名という形にはなるんですが、当市の消防団につきましては、20名を超える学生消防団員が在籍しておりまして、そういった意味では、そういったPR活動は、ひとつ効果があるのかなというところがあります。今後も機会を捉えまして、PR活動を消防団と共に積極的に展開してまいりたいと思っております。
以上でございます。
○議長(辰巳浩司) 髙尾議員。
○議員(髙尾秀彰) 御説明いただいたように、地域の防災訓練など、またトライやる・ウィークで子供たち、生徒さんたちに、より一層臨場感を持った取組をされているということなんですけれども、このような消防団、防災関係に関わる機会が多ければ多いほどいいと思うんですね。その中で、以前にもこういうお話を伺ったことがあるんですけれども、小学校等から申請を受けたら、消防団はそれについて協議して、小中学校や地域に赴いて訓練等の指導をしていただけるということだったんですけども。今後、過去の活動等にとらわれず、これから消防団員、全国的にも減少していきます。この危機的な状況を回避するためにも、率先して消防局と消防団が協力して、広報活動につながるような、未来の団員確保につながるような活動をしていただきたいと思います。これは意見として申し上げさせていただきます。
それで、市長にお聞きしたいんですけれども、昨年の8月の広報あかしでは、消防団を特集していただいて、その中でも表紙といいますか、一番インパクトがあったのが、女組(めぐみ)の女性の方々が活躍されているという御紹介だったんですけれども、その中でも私が感じ取った中で、さりげなく市長の市民の安全・安心に対する思いなんかが感じ取れるのかなと思ったんですけれども、消防団に対する市長の考えだったりとか、今後このようにしていくべきというお考えがありましたらお聞きしたいんですけれども、お願いできたら。
○議長(辰巳浩司) 丸谷市長。
○市長(丸谷聡子) 髙尾議員から、消防団についての再度の御質問です。髙尾議員に御紹介いただきましたように、私も市長就任してすぐ、昨年の8月15日号の広報あかしの1面、2面、3面を使って、この消防団の活動の紹介、そして、あなたも力になっていただけませんかということで、消防団に入団していただけるような呼びかけ、実際に消防団の方々のコメントも写真も掲載させていただいて、呼びかけをさせていただきました。また、1面は、今、議員御紹介いただいたような、女性消防団員女組(めぐみ)の皆さんに出ていただいて、この消防団というのは男性だけではなく女性もこうして参加できるし、協力できるということを、多くの市民に知ってもらいたいと思ってさせていただきまして、その点で少し消防団員の入団もあったというふうに聞いておりますので、一定効果があったのかなと思っておりますし、本当に私自身は、安全・安心のまちづくりにとって、この消防団の皆さんの重要性、そして役割というのは、ますますこれから大きくなってきていると認識しておりますので、市民の皆さんでこういう消防団活動にも参加していただいて、特に若い皆さんにもしっかりこれから情報発信して、さらに情報発信していきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(辰巳浩司) 髙尾議員。
○議員(髙尾秀彰) 前向きな力強い御意見ありがとうございます。市長がおっしゃったように、その広報を通じて、直近では971名だった団員が、貴重な1名が増えて972名という報告を私も聞いております。こういう表立った広報が、さっきも申し上げましたように増えれば増えていくほど、団員の士気が高まるといいますか、モチベーションも高まり、またこういう関心、意識も市民の皆様に持っていただけるように私も考えておりますので、より一層、今後また広報あかしに掲載していただきますよう、よろしくお願いいたします。
続いて、2点目の大規模災害団員についてでございますが、御説明していただいたとおり、本市におきましては充足率も満たしておるということで、現状そこまで改めて組織してまで必要がないようにお考えだということなんですけれども。何度も繰り返すように、団員が年々減少しているわけでありまして、今の消防団員で言いますと、約70%がサラリーマンの方と言われてるんですね。そのような中で、もし平日の日中に大規模災害が発災した場合に、現役で活動されている方々が仕事等でその現場に行けないと、活動に参加できないといった場合に、やっぱりそこで頼りになるのが経験のあるOBやОGの方々だと思うんです。ですから、今すぐにとはいかなくても、今後、前向きに、有事の際にやっぱりそういう方々に御活躍いただけるように、市民の方々が頼っていけるような組織があるような体制を、この明石市で前向きに取り組んでいっていただけたらと思いますので、また難しい問題だとは思うんですけども、前向きに御検討いただけたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
続いて、3点目、消防団員の休団についてでございますが、これも意見としてちょっと申し上げさせていただきますと、現状、本市から離れて市外に出る場合は、一時的にでも退団していただかないとというところで、現状、やっぱり貴重な消防団員を確保するっていう意味合いでも、あと、すぐ手続が済むといっても、やっぱり時間が、その手続、申請に取られるわけなんです。ですから、ちょっとより柔軟な対応として、今後、期日を設けて休団扱いのような制度も取り入れてはどうかと思いますので、これも柔軟な対応をいただけますよう、御検討のほどよろしくお願いいたします。
続いて、4番目の各分団のある装備についてなんですけれども、こちらも現状、局長から御説明いただいたように、装備については消防庁のほうからの支援があったりであるとかで、現状は資機材等に関しても賄えているということなんですけど、私の耳にもいろいろと御意見が入ってきておりまして、その中でもポイントでいろいろと備品交換をできるんだけれども、それ以外で必要なものとかも、細かく何かあったりするというような話を伺ったんです。それについてはどのように準備をされているのかと聞きましたところ、実費負担だったりとか、皆さんで活動いただいたその報酬を資金として置いておくというような取組をされているみたいなんですけど。明石市消防団を通して全体で共有、共通して必要な物というものが今後も多分出てくると思います。そのときには、市の予算を使って準備をして、有事の際に柔軟な活動に従事していただくように環境を整備するという意味合いでも、そういったところもちょっと柔軟に御検討いただけるようにお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後に、5点目の出初式についてなんですけれども、これもコロナ禍の影響により、長らく中止にされたということで、本年については能登半島地震の影響により、規模を縮小して開催されたということなんですけども。こちらの出初式についても、子供たちや御家族の方が、消防団もしくは消防署の皆さんの雄姿を見ることによって、また、子供たちにとったら、消防士になりたい、消防団に入りたいという夢が膨らむことによって、その担い手不足っていうのも解消できるような期待も持っていけると。ですから、また新庁舎整備の関係で、またその会場の検討とかもこれからされていくということなんですけども、明石市には、明石市の象徴であります明石公園もありますから、そういったところもぜひ皆さんがより身近に現地に行きやすい、また関心も強めていけるようなところで開催も、ちょっと御検討いただけたらなと思いますので、どうぞまた前向きな御検討をよろしくお願いいたします。
最後に市長に、これから明石市の安全・安心に、いかに市民の皆さんが住んでいただけるのか、また、この明石市に移ってきていただいた方々が、やっぱり明石市で住むと、やっぱりいろいろと安全・安心な面でもよく考えておられて、住むには適しているなと感じていただけるような取組を今後もされていかれると期待をしておるんですけれども、その展望といいますか、安全・安心なまちづくりのお考えを市長からお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○議長(辰巳浩司) 丸谷市長。
○市長(丸谷聡子) 髙尾議員からの安全・安心のまちづくりをどう進めていくかということですけど、本当に市長として一番大きな責任は安全、市民の皆さんの命と暮らしを守ると、まさに安全・安心のまちづくりを進めていくところだと思います。それは本当に今日、御質問いただいた消防団の皆さんと共に、地域の防災の要となる消防団ですので、様々意見交換もさせていただきながら、よりよく活動していただけるような環境もしっかり整えていかなければならないと思っておりますので、共にしっかり取り組んでいくということを申し上げて、私の答弁とさせていただきます。